第7回 富岳風穴なら田貫湖まで
田貫湖に影落とす明けの富士
東海道自然歩道第7回目はまたも単独行となった。
平成12年8月21日(月)9時半富岳風穴から青木ケ原樹海に入りうす靄のかかる道を行く。精進湖まで誰とも行き会わなかった。途中二カ所で次のような立て札を見た。
「命ほど大切なものはありません。今一度親、兄弟、子どものことを考え直してみて下さい。一人で悩まずにまず相談して下さい。」
青木ケ原樹海へ自殺行する人を思い留まらせるための立て札とみた。
精進湖11時30分、昼食ののち北側の諏訪神社にある樹齢1200年という大杉を見る。湖畔から五千円札の裏側に印刷してある富士山が見えるはずであるが、残念ながら雲がかかって見えなかった。本栖湖の畔のペンション「やまぼうし」に午後3時半着、そこで一泊する。
8月22日(火)9時出発、林の中でも暑くて汗が吹き出る。山梨、静岡の県境付近で東海自然歩道を歩いている熟年の2団体と行き交う。竜ケ岳の中腹を通りA沢貯水地11時30分、ここで昼食をとる。朝霧牧草地、麓、グリーパーク、陣場の滝を経て田貫湖着16時30分。テント村は予約でいっぱい、そこで湖畔に寝袋を広げそれにくるまって眠る。毎年4月20日前後と8月20日前後は田貫湖から見ると富士山のてっぺんから日が昇る。日が出て来た瞬間の富士山はダイヤモンド富士と呼ばれ、その風景を撮るために毎回大勢のカメラマン達がやって来る。8月23日(水)は4時頃起き出して湖畔に撮影の場所を確保した。湖畔では明けの富士へ向けて約100台の
カメラの砲列が敷かれていた。この日は頂上の右端の剣が峰のあたりから日が出て来る予定だった。日が出る20分くらい前までは富士山がすっきりと湖面に影を落としていたが、その後雲が出てきて日が出る6時10分頃にはすっかり雲に覆われてしまった。
田貫湖から白糸の滝まで歩き、滝を見物したのち、高速バスで河口湖に帰る。
一人行く富士の樹海や夏の果て
かなかなに湖畔のテント灯り初む
稲の穂の香の充つる道麓まで
仰向けば秋の星座の野宿かな
明け富士へカメラ砲列秋湖畔