
あれー?
あ、こんなところに置き手紙が・・・
朝からウンコの姿が見えないけど、どこ行ったんだ?
『拝啓、ご主人さま
ウンコは疲れました。
それは、ご主人さまが優しくないからです。
ご飯はいつも同じであきてしまいました。
(中略)
ウンコは自分探しの旅に出かけます。
かしこ』
なぜって?
退屈しても遊んでくれません。
トイレはいつもキレイにしてくれません。
探さないでください。
「・・・
やっとあのクソ猫から開放されるんだから、
感情的には怒りたくなるがむしろ喜ぶべきだな。
・・・
・・・あのクソ猫!
あることないこと散々書きまくって出ていきやがって!!!
これまで育ててやった恩を何だと思ってやがる!!!
(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)
(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)
(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)
(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)
(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)
(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)(激怒)
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・いや、まてよ。
これはかえって好都合かもしれない。
そうだ、喜ぼう。やったー」
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数日後
ぴんぽーん。どんどんどん!
「杉山さん、いらっしゃいますか?杉山さん。」
「だれだぁ、こんな朝っぱらから・・・
「どーも初めまして、私、神崎と申します。
はーい、今あけます。」
がちゃ
じつはこの猫ちゃんを先日からあずかっておりまして」
ばーん
「げっ!?ウンコ!」
「リボンに住所が書いてあったのでこちらまでうかがたしたいでして」
「・・・それはわざわざすいません。(よけいなことを・・・)」
「いえ・・・
「事情はだいたいわかりました。
「いえ、決してそのような・・・
「じゃあこの猫いらないんですか?
それでですね、まことに申し上げにくいのですが、
実は私どもは高給酒を扱う商売をしておりまして」
「ほう、それで何か?」
「おたくの猫ちゃんがですね。(かくかくしかじか・・・)」
つまりあなたは、拾った高級そうな猫を元の飼い主に黙って飼おうとした。
猫のご機嫌とりのため酒蔵で高級な酒を飲ませた。
酒を気に入った猫が他の高級な酒を飲もうとして暴れた。
酒蔵の酒の大半が割れてしまった。
被害が大きかったので赤字の穴埋めをしたい。
高級そうな猫の元の飼い主から大金ふんだくってやろう。
と、こういうわけですな。」
ただ飼い主の責任として・・・」
「これを見て下さい。
その猫が家出するときに置いていった書き置きです。
もう戻ってこないと書いてあります。
つまり、その猫はもうウチの猫じゃありません。」
私がもらっちゃいますよ。
ほら、この猫もこんなに帰りたがっているのに・・・あれ?」

ウンコは神崎と名乗る男にしがみつき哀願するように泣き声をあげた。
「なんだったらその猫、差し上げますよ。
バカで下品で暴れん坊なクソ猫ですけど一応血統はいいみたいだから、
増やせば金になるかもしれませんよ。
それまでにあなたのとこの財産食いつぶすのは目に見えてますけどね。
あ、猫に破産させられるから自己破産ならぬ猫破産だな。ははは」
「そ、そんな・・・」
「まぁそれに、うちみたいな貧乏アパートに住んでる者があなたの満足するような
金額を出せるわけないでしょう。
それから神崎さん、あなたのところの財産ってかなりいっぱいあるでしょ。
そいつが居座りたいってことはそういうことです。
身包み剥がされて路頭に迷うよりは悪い猫に噛み付かれたと思って、
さっさと尻尾をまいて引き上げた方があなたのためですよ。」
「・・・
・・・
いらん、こんな猫!!!
なんだこんな、こんな、
こいつのせいで俺は大旦那様に怒られてヒドイ目にあったんだ!!!
金が入らないんだったら、こんな猫!!!」
神崎はさっきまで大事そうに抱えていたウンコを床に叩きつけた。
ウンコは起き上がりそれでも神崎の足にすがりつこうとしたが、
神崎の方が一瞬早く飛び上がり、その上でDDR蹴り超難度1フレーズ分
(こいつ相当やりこんでいるらしい)をおみまいした。

「この疫病神!二度と俺の前に姿をあらわすな!!」
最後に神崎の蹴りがみぞおちに決まり、ウンコはのたうちまわって苦しんだ。
不幸な神崎はそのまま去って行った。
俺はウンコのかたわらに座ると哀れむように声をかけた。
「バカめ、お前がどこに逃げようが、人間社会じゃあ絶対帰ってくるようにできてるんだよ。

さーてウンコちゃん、
おやー、ここに君が書いた書き置きがあるなー
なになにー
『いつも同じご飯しかくれません。』
これはどこの家のことかなー。」
「ご主、ぐはっ」

とりあえず鼻っぱしらに鉄拳制裁
「うちではスナック、またたび、猫缶、他にもいっぱいあげたよねー
うちのことじゃないよねー。そうだよな!」
「・・・ご主人さまのことじゃありません。」
「『退屈しても遊んでくれません。』
これもどこの家のことかなー。
うちのことじゃないよねー。」
「・・・ご主人さまじゃありません。」
「ふーん、・・・・・・
じゃあここに書いてあることは全部間違いなわけだな。
つまりお前はウソつきの悪い猫で今まで育ててやった恩を忘れて
飼ってに出ていったと、そういうわけだな。」
「あうー」
「『自分探しの旅』か・・・
あまりにかわいそうだから俺が今から遊んでやろう。」
それから俺はウンコにクサリをつけて鉄カゴで飼うことにした。
俺が教えてやろう。
お前はアホでバカでウソつきで腐れ猫のウンコだ。
飼い主の責任としてはやむをえない承知であろう。