
「ウンコ、これはいったい・・・」
「あなたには今まで隠していましたが、私は月の精なのです。
1年前、あなたが寂しそうに暮らしているのをみて云々以下略…
月の精は実体をもたないので猫の姿を借りて云々以下略…
でも、私の心が悲しみで満たされているのはなぜ?あなたの心が
嘲りや見下しで満たされて…」

「え!?嘲りや見下し!!!?」
「月の精って言われてもなぁ・・・。
ひとを騙そうとして木から下りられないふりをしたり、
お月見の団子を一人占めしたり、気に入らないことがあると、
あることないこと書いた置き手紙を残して家出したり、
ベットも家具もみんな引っ掻き傷だらけだし…
その他数えたらきりがないくらいの悪事を働いたヤツに月の精とか言われても、
おかしくてへそで茶が沸いちまうよなぁ。」
「それは仮の姿である猫の習性で・・・」
「ほう、今度は猫のせいにするか。
いいことは神様のおかげで、悪いことは猫のせい。どこかの宗教と同じだな。
要は、お前はそっちの世界に退屈してこっちの世界で遊びたかっただけなんだろ。
それのダシに使われた俺の方がよっぽどかわいそうだ。
帰りたきゃさっさと帰れ、このゴミ!屑!カス!月の面汚し!

「・・・・・・はにゃーん?」
「!?」
「るーるるる、何か言った?」

「今、大そうな口をきいたのはこの口だな!!聞こえが悪いのはこの耳だな!!
俺が地の果てまで引っ張って、根性ごとたたき直してやる!」
「いひゃい、いひゃい、やえへ、ゆるひて〜〜〜」
以降、ウンコが人の言葉を喋ることは二度となかった。