| 同人シンデレラ |
| ■ 第13夜
再び舞台はハルおばさんの家。 シンデレラが目覚めると、そこはハルばさんの家のソファーでした。 (前々回の加賀の運転でゼロの領域に行ってました) シンデレラは早速、着ていた(シスプリの)制服についてハルおばさんを問い詰めました。 ハルおばさんはあっさりと答えました。 「だって、そうでも言わないと、あなた、着てくれないでしょ。 私、かわいいものや美しいものを見るのが大好きなのよ。」 シンデレラは心の中でじたんだを踏みました。 シンデレラは今日あったことをハルおばさんに言いました。 今日も舞踏会で注目されたこと。 舞踏会で知り合ったステキな殿方が、自分の衣装が目当てだったこと。 ハルおばさんは答えました。 「そうね・・・ これだけは覚えていて。 衣装で人を引き付けることはできても、引き止めることはできないのよ。 だから、他にお金目当てでなければ、その人はあなたの内面に引かれたということね。 まあ、気に入らない相手だったら困るけど・・・。 それよりシンデレラ。原稿はどうしたの?車の中にも無かったけど」 「原稿は・・・なくしました。 それに、私、もう原稿は描くのやめようって・・・」 「どうして!?あんなに上手いのに。」 「だって、(原稿を)見られるのが恥ずかしいんです!」 ハルおばさんはすっかり忘れていました。 シンデレラには絵の才能があるものの、絵描きとしては初心者であり、 精神的には未熟なのです。 ましてや知らない人に初めて見られる原稿がハードヤオイでは…。 「うーん、気持ちはわかるけど、漫画をやめる必要はないんじゃないかしら。 そうね・・・」 ハルおばさんは本棚から一つの大きな封筒を取り出しました。 「これを読んでみて。」 ハルおばさんは封筒の中から原稿を取り出し、シンデレラに渡しました。 ◆ そこに書かれていた原稿はこの部屋にたくさんあるようなヤオイではありませんでした。 やさしさや悲しさにあふれ、むしろ童話に近い内容でした。 仲良しの二人の姉妹が些細なことでケンカをしてしまいます。 二人は、本当は仲直りしたいのにお互いになかなか言い出せません。 そんなとき妹の前に妖精が現れます。 「私にあなたの命を半分くれたら、お姉さんと仲直りさせてあげますよ」 妹は妖精に命を半分与えることを約束しました。 妖精のおかげで二人は元の仲の良い姉妹にもどりました。 しかし、妹の前にあの妖精が現れました。 「約束です。あなたの命を半分ください。」 シンデレラはすっかりその漫画に魅了されてしまいました。 しかし、原稿はそこで終わってしまいました。 「この続きはないんですか?」 シンデレラが尋ねると、ハルおばさんは悲しい目をして答えました。 「その漫画はそこまでなの。原作者が死んでしまったから・・・。 その原作者はあなたを生んだ方のお母さん。 あなたのお母さんと私は20年前、サークルを作って同人漫画を書いていたの。」 |