H13年9月7・8・9日

小梨平キャンプ場

長野県安曇郡安曇村上高地

рO263−95−2321

上高地バスターミナルより徒歩約15分


 9月7日(金)

今日、仕事を終えた後、直行の夜行パスを使って、上高地に行く段取り。家族とは別の単独キャンプ旅行です。金曜日はウチの会社はカジュアルデー。だから服装はキャンプスタイルで通勤OK。肩にはリュックを下げての出勤でした。このリュックが実に重い。一眼レフやら三脚やらを詰め込んでるので、肩にズッシリくい込みます。
会社を出たのは夜の8時すぎ。難波のOCATが乗場となっている。台風5号が上陸したとのことで、夕方まで強い雨が降っていた。高知(チト似てるが上高地ではない)では、台風で土砂崩れも起きたほど。しかし天気予報では、明日の長野県地方の天気は晴れるとチェック済み。それを思えば、心も少々晴れやかな気分に。
バスは夜10時の出発。途中、近くのコンビニで夜食と朝食のオニギリを調達。上高地到着は早朝6時の予定なり。しかししかし、このバスがまた小さいバスで、座席の間隔も狭いのだ。席の方はほとんど埋まっている満員状態。上高地の人気の高さがうかがい知れます。それにしても、結構、若い人が多い。ほとんどがそうである。本格的な登山スタイルの人もいる。北アルプスを目指すんだろう。
途中、いくつかのパーキングエリアでトイレ休憩となる。この休憩がやたら多い。”ちょっと、もうええやん”と言いたくなるほど、頻繁に停まってくれる。狭いバスの中ではなかなか眠れない。熟睡には程遠い。尻が痛くなる。それでも眠る努力をしなければ、明日がツライから。

 9月8日(土)

沢渡のあたりで日が明けた。明けがかった空には雲が見えない。これはきっと、今日は素晴らしい天気になるぞ。大正池についたのは6時前。ひとまず、ここで降ります。
降りてすぐ目の前には大正池が。かなりの朝もやがかかっている。墨絵を見るような景色。この薄いヴェールに包まれた大正池の幻想的な雰囲気は、上高地を代表する有名な景色です。まだ朝早いので、朝霧も濃く焼岳もぼんやり見えるだけ。そして徐々に焼岳の山頂に陽がさし始め、それが山腹の方へと移動していく。ゆっくり朝もやが薄れていき、焼岳の全貌がくっきりと見え出す。その焼岳の姿を、大正池が池面に映し出す。早速、この日のために買ったタムロンの望遠レンズを取り出す。ここでは誰もが写真家なのです。

朝もやで妄想的な雰囲気の大正池

大正池の湖畔に映る焼岳の勇姿

梓川沿いの自然研究路の途中に、野猿の群れを発見。決して餌を与えてはいけない。人に慣れ過ぎた箕面の猿のように、なってしまうから。猿は猿、人は人。最低限のルールと、距離を保ったお付き合いは必要だ。
梓川の水はどこまでも澄んでいます。陽に照らし出される川底の緑が、エメラルドグリーンとなって目に映える。手を川につけると、刺すように冷たい。ヨシッ!!眠気覚ましにと、顔を洗ってみる。気持ちいい!これで目が覚めた。小さい目もパッチリと、少しは大きくなったカモカモ (^_-)-☆
田代池に到着。まだ7時前。ここもテレビやCMなどでおなじみの景色。まだ残念ながら朝霧が立ち込めて、田代池の明るい美しさが出ていない。陽が照りこまないと、田代池らしさが現れない。さらに梓川沿いを上がる。梓川からの焼岳の景色を写真に撮っているうちに、陽は完全に昇り、朝霧も晴れて空気が澄む。もう一度、田代池に戻ることに。これが大正解。そこで見た田代池は紛れもなく美しかった。緑鮮やかに明るく映える田代池。そのうしろには霞沢池がそそり立つ。この池はワタシのお気に入りです。

田代池の美しい緑

田代池を後にして、森林の中を歩く。木漏れ日の下、ちょっと行くと田代橋が。これを渡って、梓川の右岸沿いを上がる。左手には旅館やホテルが立ち並ぶ道。対岸には広大なカラマツ林が陣取ってる。ウェストン・レリーフを超えて、シラカンバの林の下を。そうすると、間もなくそこはあの有名な河童橋。
河童橋到着が9時半頃。まだ時間が早いので、それほどの人の多さではない。ここは、とにかくゴールデンウィークやお盆の頃は、前に進めないほど渋滞するところです。ここからの穂高連峰の眺めは、それはそれは素晴らしい。上高地の代表的風景。今日のような最高の好天に恵まれた日の景色は格別だ。清き梓川の流れと、岸辺のケショウヤナギの緑、そして猛々しい3000メートル級の穂高の山々と、青く澄み切った空。これらのコントラストが本当に素晴らしい。絶景である。特に空の色が、これでもかと言うくらい青すぎる。
この景色を前にして休憩。五千尺ホテルの自家製牛乳アイスを食べてみる。これがなかなか美味いのです。ここで売られている味噌パンなるものも美味かったです。

河童橋から穂高連峰の眺め、これぞ上高地!!

途中、ビジターセンターによって、小梨平キャンプ場の管理棟へ向かう。チェックインは11時なんだが、10時すぎには入れてもらった。このキャンプ場はテント(持込み、貸出し)の他に、バンガロー、ケビンもある。ワタシはC型ケビンというのに泊まった。6畳とキッチン・トイレ付き。もちろん布団もあって、テレビ・食器・炊事道具も完備しています。これで13500円なり。ちょっと高いかなぁというのが、素直な感想です。お風呂はキャンプ場内にあり、400円で入れます。男が5時から6時、女が6時から7時という時間割。まずまずの広さでした。管理棟の前には、食堂もあります。少々値段は高め。ここでかき揚げうどんと麻婆丼を食べましたが、これが思ったより美味かったのです。

今回泊まった小梨平のケビン

テントサイトはカラマツ林の中に

さて話しを戻し、チェックインを済ませたら、ケビンに入って少しばかり休憩を。布団を敷いて、ちょっとばかり寝こけてしまいました。12時を過ぎたあたりで活動開始。余分な荷物はケビンに置いて、必要最小限な物だけ持って、明神を目指します。

梓川の河原にはケショウヤナギが...

行きは梓川の左岸を歩くことに。キャンプ場から明神までは約50分の道のり。林の中の自然研究路をゆっくり歩く。途中、河原に降りてみた。広くて白い河原に、ケショウヤナギの緑が栄える。枯れ木に座って休憩タイム。目の前には明神岳と前穂高岳がドカーンと、荒々しい山肌を出して迫っている。前穂高は井上靖の名作「氷壁」の舞台でもある。冬の前穂東壁登頂の際に起きた、ザイル切断による遭難事件をあつかった物語。なかなか中身の濃い小説ですよ。
明神館の前を左折し、橋を渡ると嘉門次小屋に着く。ここでイワナの塩焼きが売られていました。1匹900円なり。高いのです。ワタシはちょっと手が出ませんでした。
少し歩くと明神池。この池は穂高神社奥宮の境内にあります。拝観料250円を払って奥へ。明神池は、明神岳の噴火が、湧き水をせき止めてできた池。日本庭園の趣すら感じられる美しさ。澄んだ水にイワナが泳ぎ、マガモが浮いている。ここも緑美しい池である。

勇ましい明神岳と前穂高

湧き水で澄んだ明神池

今度は梓川の右岸歩道を河童橋方面に戻る。左岸と比べて、こちらは多少のアップダウンのあるコース。岳沢の暗い森の中を歩くことになる。枯れ木に苔がマッチする森。湿原には木道が敷かれており、途中、六百山を正面に見ることができる。岳沢湿原から眺める六百山。静かでなかなか雰囲気のいいスポットです。

岳沢湿原の小川

岳沢の暗い森に苔があう

湿原から望む六百山

間もなく河童橋に到着。ここで川原に下りて休憩を。高原の風はちょうど良い涼しさで、湿っておらず清々しい。本当に最高の天気でした。これ以上は望めないほどの、好天に恵まれた一日でした。青い空の下、北アルプスの山々を眺め、梓川の河原で心地よい風に吹かれ、カモと遊んで時間を過ごす。これぞ人生、この上ない最高の時間の過ごし方でしょう。
その後、キャンプ場内の食堂で夕食をとり、風呂に入ることに。そして7時には完全に陽は落ち、上高地は闇に閉ざされる。さぞかし上高地から見る夜空は、素晴らしい星空だろうと思いながらも、8時過ぎには就寝モードに。昨日の夜行バスでの寝不足がこたえている。結局、星を見ずに爆酔へ。朝まで熟睡、夢の中です。

 9月9日(日)

朝の目覚めはベスト。しかし、ここは1500mの高原地。やっぱり9月になれば冷え込みます。布団から出るのがツライほど。
チェックアウトは9時。帰りの直行バスは、上高地バスターミナルから昼1時出発。そんなに時間の余裕もない。それまでの時間、昨日歩かなかった梓川の左岸を、田代橋方面にブラブラ行く。今日の上高地の空は雲が多い。天気予報では昼から雨になるという。途中、上高地帝国ホテルに立ち寄ってみた。昭和8年に開業した日本初の本格的山岳ホテルなのです。赤い屋根のハイセンスな建物が、上高地の山岳風景と見事にマッチしていて美しい。ベランダ付きのおすすめの部屋は、なんと一泊35500円。まぁ、なかなか高いんだが、ここには一度は泊まってみたい。

帝国ホテルの赤い屋根

シラカンバの林

ホテル白樺荘の売店でお土産を買い、バスターミナルへ向かう。帰りのバスも満員状態。1時に出発して、JR大阪駅前到着が8時半。8時間ちょっとのバスの長旅。心地よい疲れを残して、なんとか無事に大阪に到着しました。

今回で2回目の上高地散策。ワタシの心にズッシリと深く、思い出に残る旅となりました。またまた、きっと行くでしょう。どこまでも澄み渡る梓川、河畔を緑で彩る美しい樹木、穂高をはじめとする高くそびえ立つ岩稜の山々。心洗われる日本一の山岳景勝地、上高地が永遠に残る限りは....